悪徳ブログ

創作系のつもり。

摩天楼

黴黴黴黴黴黴黴黴。

その摩天楼はカビで満ちていた。

旧リゾートホテル。屋外プールにも、屋内プールにもカビが広がる。

コウノトリコウノトリ、と狂人が踊り回る。

「赤ちゃん、赤ちゃん、赤ちゃん」と狂人が踊る。

 

ダイヤモンドの光が御守りになる。

人間の叡智を見くびるなと、加工された宝石の光学が、理性を助ける。

無明なり、無明なり、無明なり。

千の遊女を食い物にする女衒が、今宵も黴の歌を歌う。

aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa

 

ここに神曲を明らかにしよう。

ベアトリーチェは鼻曲がりの吸血鬼なり。

ウェルギリウス守銭奴ゆえに偽善を働く。

つまり、「世界一の出版物である聖書の著作権」を目当てにする無神論者。

コキュートス、ジュデッカ。

そこに響き渡る「声」は、一体、誰のものだろうか。

 

ガリア戦記八百長戦争。

真実はブルータスの中に。

蛾の群れのようなローマ軍とは、さて、誰の言葉だろうか。

 

神罰はピラミッドに記されるのみ。

アヌビスの歌は聴く莫れ。

太陽と巨人は、免罪符にならず。

 

世迷言の錬金術は、損害を受けてからが真実となる。

損をしていない錬金術師ほど、嘘吐きな連中はいないのである。

騎士道は、常に錬金術に迷ってきた。不潔ゆえに、判断力が鈍っていたのだ。

忠実なる下僕を求めて、どうして、遊郭に行くのだろうかと。

人食いどもへの警戒心は、つまり、貴族主義への疑問となる。

捨てられぬプライドとは、言葉であるべきなのか、態度であるべきなのか。

 

黴の生えた説教など、最早、通用しさえしない。

阿鼻叫喚の地獄絵図など、娯楽にもならない。

ただ、必要なのは、友愛であった。